手数料ゼロのFX業者のビジネスモデルとは?
金融庁の規制で業界淘汰がはじまった
信託保全の完全義務化とレバレッジ規制。金融庁によるこの2つの規制によってFX業界は大きく変わりつつある。悪質な業者や体力の弱い業者が淘汰され、投資家が安心できる環境が整うというのだ。では、規制が行われる前のFX業界とはどのような状況だったのか、ここで振り返ってみよう。
FXは98年に外為法が改正されたことにより誕生した商品だが、規制が緩かったため、金融業以外からも数多くの参入があった。中には悪質な業者も存在したという。常勝トレーダーとして知られる衆議院議員の今井雅人氏は当時の状況をこう語る。「業者が顧客の資金を持ち逃げしたり、会社、か倒産した後、あけてみたらで投資家の証拠金を運転資金に使いこんでいたということもありましたね。そういう業者から投資家を守るためにも信託保全義務化の必要性を指摘していました」
信託保全は10年2月に完全義務化され、FX業者が破たんしても投資家の資金は守られるようになった。一方、レバレッジ規制は業者間の過当競争を抑え、経営体質の悪化を防ぐ効果、がある。業者の主な収益源は手数料とスプレッドだが、比較サイトなどでランキングが掲載されると、業者間で引き下げ合戦が行われ、ほとんど収益が得られない状況になった。そこで新たな収益源として利用されたのが自己ディーリングなどの方法だ。通常、投資家から注文を受けるとFX業者はカバー先の銀行で同じ内容の取引を行い、自社のリスクを回避する。しかし、カバー先と取引を行わず、自社内で売
りと買いをマッチングさせて処理してしまうのが自己ディーリングだ。
この裏には「投資家の大半は損をする」という前提かおる。「スキャルピングなど短期売買を繰り返す投資家の場合、3ヵ月程度で約9割が強制ロスカットにあうといっても過言でないでしょう。業界関係者)
それが分かっていれば、あえてカバー先と取引を行う必要はない。じっと待っていれば、投資家が損をしてそれがそのままFX会社の利益になるという構造だ。ただ、自己ディーリングが違法というわけでない。店頭FXでは投資家とFX会社は相対取引であるから、必ずしもカバー取引をする必要はない。FX業者は自社の裁量で自己ディーリングとカバー取引を使い分ければよいのだが、自己ディーリングに失敗すれば大きなリスクを抱えることになる。
すべる“スリッページ”という問題も多く指摘されている。たとえば、85円80銭の時点で米ドルの成行の買い注文を入れたとしよう。しかし、実際に約定したのは85円85銭。このようなことが起こる。問題が表面化する前は投資家も「注文した瞬間にレートが動いたのか?」と考えていたが、それを意識的に行い収益源にしているFX業者が存在したのだ。
体力のある優良業者しか生き残れない
自己ディーリングにしても「すべる」にしてもそれで収益が確保できたのは莫大な取引量があったからこそ。レバレッジ規制によって取引量が減ればそれも難しくなり、歪んだ収益構造のFX業者は淘汰される可能性が高い。チャート分析の第一人者として知られ、FXに関する著書も多い川口一晃氏はレバレッジ規制をこう評価する。「レバレッジ規制によって各社はシステム変更が必要になりますし、取引量減少による売り上げ減もあるでしょう。今後はこうしたコストを負担できる体力のある業者だけが生き残っていくでしょう」
今回の規制により、FX業界の歪んだ収益構造は崩壊し、健全な業者だけが生き残る。安心して取引ができる環境が整うことが期待される。
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米主要経済指標が目白押しとなっており、米金利動向と合わせ指標発表を 契機とした相場展開が予想される。このところ米経済指標は概ね市場予想を上回 る強めの結果となっており、ドル下支え要因となっているが、数値ほど楽観視は できないとされる雇用情勢と住宅事情の数値が米景気回復期待を裏付けるものと なり得るのか注目したい。 為替(FX)のテクニカル的には、日足三角保ち合いを上放れして次なる節目大台84円を目指す 動きとなるのかが焦点。